2009/05/05

いまから。

いままでいきてきたなかでも

いまが

とてつもなく、からっぽなからだになりました。

あたまのなかにも、

おなかのなかにも、

てのひらのなかにも、

なにも、のこってはいないのでした。





きめられたおわりは、いつもやってくるものです。

しろうさぎは、つきのくれーたーへとかえってゆきます。

りゅうぐうじょうのかめは、うみのそこへとかえってゆきます。

あかずきんちゃんは、おばあさんのうでにだかれます。

となりにすむぶちねこは、いつもゆうぐれにかえってきます。





わたしは、ときどき

ことばのなかへと、かえってゆくから、

あなたは、

まっていなくて、だいじょうぶです。

からっぽになったわたしは、

やわらかいかいめんたいのすぽんじのように

ことばを、とめどなく、

からだのすみずみにまで、どくどく、と、おとをたてながらしみこませて、

たぷんたぷんのゆめのなかで、おぼれるのです。

だから、

からっぽになっても、

きっとへいきなので、

あなたは、まっていなくてもいいし、

いえ、まっていてといっても、まってはくれないけれど、

でも、

わたしは、また、ことばのおかげで、

わたし、を、うめてゆくことができるのです。





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2009/04/19

BReaK heART

なにを、していますか。

わたしは、よるを、みています。

くろくて、くらくて、かぎりがないじかんという名の

わたしは、よるに、いきをしています。




まぶたを、とじると、

いまでも、あのといきがあるし、

てのひらを、なでると、

いまでも、あのまなざしのぬくもりが、




なにを、していますか。

わたしは、ほしを、ひろいあつめています。

ひかりをうしなって、ちじょうにおちるしかなかったその粒の、

わたしは、ほしをだきしめて、ねむるのです。




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2009/04/09

負けない

コバルトブルーの空を

ずっと追いかけて

追いつけるはずの勢いで

地面から飛び上がる



陽射しにあぶり出される

ココロのカサブタ

勝手に進んでゆく無数の細胞が

私のあの涙を飲み込んでゆく



時々、袖の下を吹き抜ける風は

立ち止まっていいのは、美しい魂だけだよ

と、こっそり囁く



私は、いつものように地球で呼吸をして

やっぱりいつものように、あなたを愛するのだ



テッペンまで昇っている

今日という陽射しに、

やっぱり追いついてやる

この胸の中を見せつけてやる

その陽射しの温度にも負けないほどの

この、ココロを




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2009/04/04

さようなら。

ジュワキのむこうから

ちいさくやわらかなツメが

そのいっしゅんで、このムネをひきむしったのでした。




ぽろぽろ ぽろぽろ

ココロは、くずれてゆきます。

このむねにやきつけた、あのひのゆうやけや

このひとみにやきつけた、あのときのほしぞらや

あのときににぎりしめた、あたたかいてのひらや

そんな、たくさんのトキメキが、

はがれながら

とうめいのひめいをあげて

こすれながら、ごみくずになってゆきます。




ツメをむりやりに、ひろげたのはわたし。

かくしておいたツメを、やっとみせてくれたのはあなた。




ごみくずになってしまったココロは

もう、ステルしかありません。

このむねにも、そのてのひらにも

いばしょは、もう、どこにもないし、

ぼろぼろになってしまって、

もう、ただのごみくずでしかないのですから。




すこしちからをいれただけで、こなごなになってしまいそうな、

そんなごみくずたちを、このてのひらでそっとすくいあげたら、

よるのそらに、まきちらしてしまいましょう。

あのたくさんのほしたちは、

ほんとうは、

こうしてごみくずになってしまった

の、おはか、なのかもしれません。





さようなら。




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2009/01/01

薄色

今度こそ、
と、
いつも何処かの空に願う




たぶん
願いも答えもいつもと同じなのに




今度こそ、
と、
いつも何処かの星に願う




笑うなら
とことん笑い倒して下さい
願い全て
木っ端微塵に砕ける程に




今度こそ
と、
いつも願いながら
これが、
最後ではないことを知りながら




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2008/12/31

着信

ゆるやかな時間が流れてゆく
今朝は、雪が降っていた
今夜も、雪が降っているかもしれない
この部屋は、暖房がききすぎていて
ちっとも寒くないから
ひとりなのが、うそみたいで





時々、ケータイの電波の受信のチカチカするのが眼にはいって





しんしんと時間が流れてゆく
今朝は、少し曇っていた
今夜も、曇っていて星は見えないだろう
この部屋の窓は、暖房のせいなのか
薄く曇っているから外がみえないので
真っ暗な空なのも、ちっとも分からないので





時々、ケータイのストラップの鈴がカルイ音をさせるたびに聞き耳をたてて





握り締める
手のひらには、
ただひとつのアドレス





ただ時間は流れてゆく
今夜は、きっと雪が降っている
この部屋からは見えないけれど、
きっと、雪が降っているのは間違いないから
だから、
ケータイの着信が、ないんだ。




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2008/12/30

lovesick

着信があって
びくびくする指は、通話のボタンを押す


ありがとう
震える声は、ありったけの気持ちをつぶやく


またね
優しい時が、猶予の夜を与えてくれる


眠ります
眠ります


着信があって
この胸の中では、またあなたを繰り返している


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2008/12/29

Lonely

午後に
メールを



すぐに返事が



いつもどおり
いつもとおんなじ




やっぱり
ここにいるのは、
わたし、ひとり。




午後に
またメールを



すぐに返事が



いつもどおり
いつもとおんなじ




謝らないで
ここにいるのを
ひとり、なのを




深夜に
またメールを



すぐに返事が



いつもどおり
いつもとおんなじ




夜の星が
いつもどおりなのを
ささやきながら
真っ黒の中の
頬を浮かび上がらせる
冷たくて
暖かい
流れ星を





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2008/12/28

lost

冬至が過ぎた

雪に覆われることもなく

木枯らしに吹き晒される日




ひとりで過ごす。

肩は、すこし寒い。




そばにいた頃の

そのてのひらは

この胸のなかに或るのに




流れおちないコドクを

かかえたままでは

無口になってゆくだけ




その冷たい風を

頬にいっぱいにあてる

紅く染まって

また無口になってゆくココロ




ひとことを

ただ、握り締める




ひとりで過ごす。

夜は、とても長い。




雪が降り出してくれたら

その白に覆われてしまえたら

ひとり、を消してしまえる。

はず。





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2008/11/30

内通

花びらを毟るように、

無残に、千切ってください

その、想いに背く時に

鏡のように、鋭く尖りながら




この体温は、

実は、存在してはいけないのです。

あの感情は、

本当に、どこにも在りはしないのです。




白磁の壺を振り上げて

無謀に、叩きつけて下さい

その、安堵に甘んじる夢を

刃金のように、冷たく引き攣りながら




この鼓動は、

さざ波に浚われて、消えてしまわないといけないのです。




さようなら

さようなら




実は、どこにも在りはしないのですから、

忘れることさえも、在りはしないのです。




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